育休取得の環境整備へ 労働局がポスター

 和歌山労働局は、男女労働者が仕事と子育てを両立できる雇用環境の整備を目的とする認定マーク「くるみん」の周知や取得促進を図るポスターを制作した。全国各地の労働局が、地元のゆるキャラなどとコラボレーションしてポスターを作る企画。県では、紀の国わかやま国体・大会のマスコット「きいちゃん」が選ばれた。

 くるみんの認定基準は、男性の育児休業実績や一定の女性の育児休業取得率の達成などが条件。県内では7月現在、15事業所が認定されている。昨年4月には、同制度の基準を盛り込んだ時限立法「次世代育成支援対策法」の改正法が施行され、有効期限が平成37年3月末まで延長された他、くるみん認定企業のうち特に取り組みが優れた企業を認定する「プラチナくるみん」制度もスタート。現在、全国で11社が取得している。

 事業所にとって認定取得は、まだ広く浸透していない男性の育児休業実績が必要なためハードルは高いと見られているが、育児休業を利用した男性労働者からは「取得してよかった」との感想が多く聞かれ、大きな問題もなく職場復帰もできているという。

 また、若い世代を中心にくるみん制度の認知が広がっており、認定により子育てサポート企業であることがアピールでき、良い人材確保の観点からも有利に働いているという。

 和歌山労働局雇用均等室の小田江理子室長(52)は「出産した女性や子育ての必要がある男性が、育児休業を取得して職場復帰できる環境整備の実現は、労働者の意欲向上などにつながり、事業所にも大きなメリットになります」と話し、認定制度の利用を呼び掛けている。

 厚生労働省が発表した平成25年度雇用保険事業年報によると、県の雇用保険の被保険者数に対する育児休業給付金の受給者の比率は、全国で北海道に次いでワースト2位の低さ。最も高かったのは沖縄県だった。

 育児休業給付金は、昨年4月1日に改正雇用保険法が施行されたことにより、支給額がこれまでの月額賃金の50%から67%(育休の開始から半年後は50%)に引き上げられるなど、手厚くなった。給付期間についても、父母が給付金を交代または同時に受けられるなど、制度も利用しやすく充実が図られている。

「くるみんで労働環境向上を」と小田室長

「くるみんで労働環境向上を」と小田室長