教科書選定委員の氏名の開示検討 和歌山市教委
和歌山市教委の大江嘉幸教育長は7日、 開会中の市議会定例会本会議で、 非公開としていた学校教科書選定の調査員と選定委員の氏名の開示について 「市情報公開条例の主旨を踏まえ、 (開示のための) 対応をしたい」 と一歩踏み込んだ答弁をした。 今後、 決定権のある教育委員会 (中村裕委員長) に諮るという。 戸田正人議員 (絆クラブ) の一般質問に答えた。
市教育研究所などによると、 教科書選定は、 教員50人が調査員、 38人 (民間人5人) の教員や市教委職員らが選定委員となり調査・選定し、 最終的に教育委員会で決定する。 来年4月から使用する中学校の教科書はことし8月に選定が終了している。選定終了後の調査員と選定委員の氏名は、政令指定都市や中核市の4分の3程度はすでに公開しているといい、公開は全国的な流れになってきているという。県内では公開していない。
大江教育長は当初、 「調査員と選定委員の氏名は公表していない。 この議場で示すことはできない。 次回、 平成26年度小学校で使用する教科書の採択決定終了後に開示する」 とし、 その理由について 「事前に氏名開示の了承を得ていない状況で開示した場合、 信頼関係が揺らぐ」 とした。
これに対し戸田議員は、 ことし6月15日の横浜地裁で 「(選定委員らの氏名を) 非開示情報とするのは違法」 という判決が出たことを紹介し、 「記載内容に対して 『右だ左だ』 というイデオロギーの問題ではない」 と断り、 市情報公開条例に基づき 「氏名の公表を求める」 と詰め寄り、 大江教育長は 「速やかに対応したい」 と述べた。