移動スーパー「わかヤン」27日~和市北部で
地域の高齢化から需要が高まっている移動スーパー――。和歌山市内に27日から、軽トラックで食品や日用品などを販売する「わかヤン」(㈱わかヤン本舗運営)が新たに加わる。開始時の保有トラックは2台で、販売エリアも南海加太線沿線など市北部に限定しているが、今後数年で車両を10台程度まで増やし、エリアも市内全域まで広げるとしている。
同社はことし6月に設立。井上和彦代表取締役(57)は、東証一部上場の県内大手スーパーで33年間勤務し、バイヤーや商品部長、販売部長、大型店の店長も務めた経験を持つ。
取り扱う商品は、㈱スーパーサンワ(本部・同市和田、和田安生社長)が協力し、日用品や飲み物、乾物などの他、刺身や惣菜、寿司など生鮮食品も合わせて約300品目を用意。毎日積載して地域を回る。
わかヤンは、7月から1台を試験運行させてきた。訪問先では、外出困難で買い物ができない人たちが玄関先などに出てきて、販売員との会話を楽しみ、商品を選ぶ楽しさを味わった他、飲料など重い商品の購入が楽であることから好評を得たという。
また、希望があれば、自宅の中まで入り、利用者と一緒に冷蔵庫の中身を確認するサービスも行い、利用者の移動の付き添いなどが必要なことから、井上代表を含め販売員全員が、介護の資格を取得している。
井上代表は「地域を回れば回るほど、買い物に困っている方々のニーズを強く感じた。これから、スーパー勤務の経験を生かした社会貢献を進めていきたい」と普及に向けて意気込んでいる。
協賛したサンワの和田社長(62)は「移動販売の必要性は、高齢化している社会の流れ。地域住民に喜んでもらえるなら、スーパーとしても協力していきたい」と話している。
問い合わせはわかヤン本舗(℡073・453・1234)へ。