自社デザインの生地で勝負 和歌山染工
天然繊維の染色加工で全国トップレベルの技術力を誇る和歌山染工㈱(和歌山市納定、高垣佳宏社長)は27日、初めて自社でデザインした生地のブランド「RIEKA」(リエカ)の商品を全国で発売した。染色加工工場が生地のデザインを自社で行うのは、県内では珍しいという。
明治40年創業の染色加工場で培った技術力や、前処理から染色加工までの一貫生産体制から生み出した高品質な生地で、生地・副資材の卸販売サイト「テキスタイルネット」(http://www.textile-net.jp/)で閲覧、購入できる。
繊維産業が盛んだった頃の和歌山の輝きを取り戻すため、企業ブランド力強化を図ろうと、中小企業庁の「平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金」を受けて開発した。
松本卓也社長室長は「これまでの受注産業から一歩踏み出し、自社デザインの商品を全国展開することで〝和歌山にこの生地あり〟と広く知ってもらいたい」と意気込んでいる。
ブランド名のリエカはスロバキア語で川という意味で、「よどみない豊かな川の流れのように作り手の見える透明感の高いものづくりを行い、本当に良い生地が消費者まですぐに届くようにしたい」という社員の思いが込められている。
デザインを担当した営業部、企画・テキスタイルデザイナーの前田智さんは「梅林、ミカン山、植物など、和歌山の自然をモチーフにした柄が多い」と話している。
リエカは1㍍1800円(税別)で、3㍍から購入できる。