拡大の時期検討 和歌山市子ども医療費助成

 各方面から和歌山市に要望が寄せられている子どもの通院医療費助成制度の対象拡大について、尾花正啓市長は11月30日の市議会本会議で、「子ども医療費助成は子育て世帯の重要な施策」との認識を示しながらも、要望されている来年度からの実施については「早期実施を検討していく」と述べるにとどめた。中村朝人議員(日本共産党)、薮浩昭議員(公明党)の一般質問に答えた。

 市が10月に策定した今後5年間の戦略「市まち・ひと・しごと創生総合戦略」には、子育ての経済的負担の軽減策として助成拡大が盛り込まれた。現行の就学前までの通院医療費助成(入院費助成は別)には毎年5億円が必要で、制度を拡大した場合、市の試算で、小学校卒業までなら5億円、中学校卒業までなら、さらに2億円の負担が恒久的に増えることから、導入については厳しい判断を強いられている。

 尾花市長はまた、子ども医療費の助成は自治体によって異なるため、尾花市長は議会で「どこに住んでも同じ助成制度が受けられるように、国において子どもの医療費助成制度を創設するように要望していく」との考えも示した。