新ビジネス挑戦を呼び掛け 竹中氏が講演
和歌山市出身の元経済財政政策担当大臣で、慶應義塾大学総合政策学部教授の竹中平蔵氏が11月26日、同市友田町のホテルグランヴィア和歌山で「グローバルに闘える日本経済を創るために」をテーマに講演。新事業への挑戦や、2020年の東京五輪の活用などを呼び掛けた。
和歌山社会経済研究所(片山博臣理事長)主催の講演会で、仁坂吉伸知事をはじめ経営者ら235人が参加した。
竹中氏は現在の世界について、ベルリンの壁崩壊とともに市場・ライバルが倍になり、デジタル技術の発達で世界中に即座に情報伝達することが可能になった世界だと表現。世界の人と部屋の貸し借りができる「エアビーアンドビー」、配車サービス「ウーバー」など、インターネットを使った世界規模の新しいビジネスが次々と生まれる中、「明日は今日より付加価値の高いことをできるようにならなければ、放っておくと生活水準は下がっていく」と、新しい取り組みに挑戦していくことの重要性を語った。そして「この規制がなくなればこういうビジネスができる、ということをぜひ考えてほしい」と特区の仕組みの活用を求めた。
空港運営権を民間に売却する「コンセッション」により、オーストラリアのゴールドコースト空港の発着本数が3倍になったことを紹介し、仙台空港に続いて日本のコンセッション第2号となる関西国際空港について「大きなチャンスだ」と強調。「和歌山としてこれにどう取り組むか、民間の皆さんに考えてもらうことが必要になる」と話した。
また前回の東京五輪でさまざまな施設、ビジネス、会社が生まれたことを話し、次期東京五輪に向けた新ビジネス開発を訴えた。