「世界津波の日」制定へ 二階氏が会見
東日本大震災での甚大な津波被害を受け、平成23年6月に制定された記念日「津波防災の日」(11月5日)が、「世界津波の日」として国連で採択され、制定されることになった。
津波防災の日は、安政元年(1854)11月5日、安政南海地震による大津波が広村(現・県広川町)を襲った際、濱口梧陵が稲わらに火を付けて高台に誘導し、多くの命を救ったことにちなんでいる。
国連採択に向けた取り組みを進めてきた自民党の二階俊博総務会長(76)=県3区・衆院議員=は、和歌山市ト半町の自民党県連本部で記者会見を開き、「大きな規模で襲ってくる自然災害に対抗するには、地球規模で津波と対決していかなくてはいけない。世界中の皆さんと一緒になって、自然災害で命を奪われる人を1人でも少なくすることに今後も取り組みたい」と喜びを表明した。
採択への取り組みは、ことし7月下旬から9月上旬にかけて、有志国会議員が104カ国の在京大使館を訪問するなど活動。賛同する決議案の共同提案国は、日本を含めて132カ国まで増え、支持が広まった。今月4日には、ニューヨークでの国連総会第2委員会で決議案が採択されたとの報告があり、近く国連総会での本決議案採択が確実となった。
世界津波の日の国連委員会採択を受け、5日、仁坂吉伸知事は「本県も制定の趣旨に賛同し、来県される海外要人などに対し、『津波防災の日』の意義を説明してきたことから、今回の採択を非常に喜ばしく思っています」、広川町の西岡利記町長は「町で語り継がれてきた『稲むらの火』が世界で広く認知される機会になります」と、それぞれ喜びのコメントを発表した。