県「人事体制の刷新を」 県漁連に提言

 加太漁協の組合長を解任された男性が県漁連の会長を続投していることに関し、県は11月中旬に県漁連に人事体制の刷新を提言。 対応がなかったため、同月下旬、漁協の経営改善を図る 「JF経営指導県委員会」 への参加を見合わせることを県漁連に通知した。 13日の県議会農林水産委員会で明らかになった。

 県水産振興課によると、 県漁連から、 同月の理事会で人事体制について県の意向を聞きたいと申し入れがあったという。 理事会で、 増谷行紀農林水産部長は 「現在の県漁連の在り方に疑問を感じる。 理事長はもとより、 理事を退かれて、 もう一度役員に立候補されるべきでは。 県漁連が現在の体制である限り、 同委員会への関与は致しません」 と述べた。 その場に同席していた会長は 「(加太漁協の件について) 私には責任がない」 と反論したという。 また、 男性は増谷農林水産部長の発言を2回遮ったといい、 県は 「これでは、 同委員会でも正常な議論はできない」 と判断。 その上で、 県漁連からの対応を10日間待ち、 参加見合わせの通知をしたという。

 県漁連は現在、 水産庁の利子補給などを受けられる漁協経営基盤強化推進事業に認定申請をしており、 その際に同委員会の構成員で、 唯一漁協系統団体でない県が抜けると、 申請に支障が出る可能性があるという。 同事業は本年度末に終了予定となっており、 申請手続きには約3カ月を要するため、 同課は 「結論を出すなら年内がリミットでは」と話している。

 県漁連の会長は理事の改選で決めており、 会長改選となったことし6月中旬に、 男性が互選で決まった。 一方で加太漁協では、 幹部の管理運営が不透明であるとして、 7月に役員改選請求し、 8月に男性は組合長を失職している。 県漁連の会長職は現在まで、 単位漁協の会長など要職が就いていたが、 男性は現在、 加太漁協の一組合員となっている。

 県漁連によると、 14日、 県の対処に対し見解を発表する。