アジア大会V パワーリフティング今井さん

 パワーリフティングの国際大会「第2回アジア&オセアニアクラシック選手権大会」が昨年12月13~20日、ウズベキスタンのタシケント市で開かれ、和歌山市在住の今井努さん(45)がマスターズⅠ男子(40~49歳)でスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの各競技で1位、トータルでも1位となり、4個の金メダルを獲得した。

 今井さんは23歳の時、体を鍛えようと和歌山市内のスポーツジムに通い出し、純粋な力比べをしたいとの思いから、パワーリフティングに取り組み始めた。

 パワーリフティングはスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種類の方法でバーベルを持ち上げ、総重量を競い合う。それぞれの持ち上げ方には厳しい規定がある。

 今井さんは平成17年に初めて出場した競技会「大阪パワーリフティング大会」で、府外の部1位を獲得。以降、数々の大会を制し、平成26年の「第19回ジャパンクラシックマスターズパワーリフティング選手権大会」では、マスターズⅠの74㌔級で優勝し、世界・アジア大会の出場権を得た。

 今回出場したアジア&オセアニアクラシック選手権は、アジアパワーリフティング連盟などが主催し、男女合わせて約150人が出場。

 「メダルを必ず持って帰ろう」と意気込んで競技に臨んだ今井さんは、会場の雰囲気やプレッシャーで力を十分に出すことができなかったとしながらも、スクワットで190㌔、ベンチプレスで130㌔、デッドリフトで225㌔を持ち上げ、見事1位になった。優勝が決まった瞬間は「これまでの苦労が報われたようでとてもうれしかった。始めた時は国際大会に出られるとは思っていなかった」と話し、「表彰台に立って日本の国歌が流れた時は感動した」と振り返った。

 今井さんは「さまざまな筋肉を一度に稼働させて、瞬間的にバーベルに伝えるのがコツです」と話す。昨年は、持ち上げる本数を少なくし、バーベルを持つ時のフォームや持ち上げるタイミングを意識した大会用のトレーニングを積んできた。今後は、自己記録の更新に向けて持ち上げる本数を増やし、「パワーアップして、もう一つ上のランクを目指します」と笑顔を見せている。

4個の金メダルを手にする今井さん

4個の金メダルを手にする今井さん