わかやま国体のタイムカプセル埋める

 昨年秋の「紀の国わかやま国体・大会」の成果を後世に残そうと、大会記念品などを納めたタイムカプセルの埋設セレモニーが26日、和歌山市の紀三井寺公園で行われた。同市と海南市の小中学生が見守る中、陸上競技場前広場にあるモニュメントの土台部分に埋めた。約50年後の次期和歌山国体に合わせて開封する。

 タイムカプセルはステンレス製の箱で、重さ約200㌔。前回、黒潮国体の開催時に同所に埋め、今回の国体前に開封したタイムカプセルを再利用した。

 中には、両大会の式典資料▽競技記録の冊子▽選手団名簿▽選手ユニホーム▽メダル▽ポスター▽きいちゃんグッズ▽新聞記事▽「国体(大会)に参加した感想と、50年後の自分(和歌山)」をテーマに募集した児童生徒16校1510人分の作文▽両大会の炬火(きょか)を種火として作った紀州備長炭――など、65品目を納めた。

 セレモニーには行政関係者と小中学生、校長ら約60人が出席。若宮茂樹国体推進監は「50年後、タイムカプセルを開けて当時はこうだったと思い出し、また感動してほしい」とあいさつ。

 児童生徒を代表し、国体開会式に参加した和歌山市の浜宮小6年・橋生羅(おうら)君は「応援したり楽しんだり、会場が一つになっているのを感じた。50年後タイムカプセルを開けて、ことしのことを思い出せるのを楽しみにしている」。

 閉会式に参加した海南市の巽中2年・野田七海さんは、「選手たちの、すがすがしく、やりきったと言わんばかりの表情に感動した。何かに夢中になって一生懸命になることの素晴らしさをあらためて感じた」と振り返り、「未来の自分や街がどうなっているか想像もつかないが、きっと明るい未来が待っている。50年後、タイムカプセルを笑顔で掘り起こせるように祈りたい」と話した。

 その後、物品を酸化から守るため、児童らで協力して収納袋に窒素を注入。たくさんの思い出を詰め込んだタイムカプセルはゆっくりとクレーンで埋設され、両大会の開閉会式が行われた会場で静かに眠りについた。

埋設されたタイムカプセルを確認する子どもたち

埋設されたタイムカプセルを確認する子どもたち