中心市街地に歌と光 広島電鉄「クリスマス電車」

  「ジングルベル鈴が鳴る」 。 仕事帰り、 広島市中心部を歩いていると、 リズミカルなクリスマスソングが近づいてきた。 音のする方を見ると、 電飾がピカピカと光る路面電車だ。

 広島電鉄、 クリスマス電車。 広島市の姉妹都市であるドイツのハノーバー市より寄贈された車両で、 広島市が組み立て式の茶室をハノーバー市に贈呈した返礼として受け取ったという。 通称 「ハノーバー電車」。 製造から80年がたつ。

 まばゆいばかりの電飾が施され、 車外へ向けクリスマスソングが流れる。 運転手はトナカイの着ぐるみ、 乗客はサンタクロースの衣装をまとうなど、 クリスマスムードを醸し出し、 街にクリスマスの到来を告げている。

 街でクリスマスを感じるものとして、 クリスマスツリーは定番だ。 十数年前だろうか、 和歌山市の堀止交差点の歩道に、 大きなクリスマスツリーがあったことを記憶している。 ツリーには電飾が施され 「堀止」 と書かれたプレートが目立っていたのを覚えている。 イズミヤ堀止店、 美松市場、 黒門市場など、 堀止が暮らしの商圏として元気だった頃だ。 自然とクリスマスの到来を感じさせられた。

 先日、 和歌山市に帰省したが、 一目でクリスマスだと感じるインパクトのあるものは少ない。 派手な演出がよいとは限らず、 人口も異なるが、 広島ではどこか、 わくわくする街の雰囲気を感じ、 購買意欲をたきつけられる気がした。 皆さんは、 クリスマスの到来を何で感じただろうか。    (次田尚弘/広島)