社員の幸福度アップへ 企業が結婚相談制度

包括的な物流サービスなどを展開する「㈱オプラス」(和歌山市小倉、上中崇司社長)は、結婚相談・婚活マネジメントを行う「ウイズワン」(海南市名高、綿野憲作代表)と提携し、福利厚生の一環として、従業員が気軽に結婚相談を行える体制を整えた。企業が従業員のためにこうした制度を取り入れるのはまれで、両社は従業員の満足度向上は元より、晩婚・少子化の世に一石を投じたいとの願いも込めている。

㈱オプラスは、企業が社の物流部門を第三の企業に委託することにより、社の主力事業に注力できるなどのメリットがある「3PL」(サード・パーティー・ロジスティクス)というサービスに、和歌山でいち早く取り組むなど、先進的な改革を進めている会社。「全社員の物心両面の幸福を追求する…」の経営理念の通り、社内にジムを設置するなど、社員の福利厚生に力を入れており、今回の〝婚活サポート〟も、その延長で導入を決めた。

社員が家族を持つことでワークライフバランスが向上し、ひいてはそれが仕事の効率性を高めるという狙いがあり、上中社長(48)は「どうすれば社員が幸せに仕事できるかを考えている時にこの話を提案してもらった。優秀な人材の確保にもつながるのでは」と期待を込めている。

具体的には、㈱オプラスの社員であれば誰でも「ウイズワン」が加盟するネットワーク(日本結婚相談所連盟)のシステムを格安で利用でき、綿野代表(51)が個別で相談に乗ることも可能。また、綿野代表は、婚活全般の相談の他、各種パーティーの企画、キャリアアップ、スキルアップセミナーも開催し、社員個々の魅力を引き上げることにも協力していく。

綿野代表は、神戸で証券アドバイザーとして働いていた時、妻を病気で亡くし、海南に帰郷。商店街が寂れ、子どもたちが通う学校のクラス数が自身の時代に比べ激減していることを憂い、「少子化問題の解決が最大の景気対策」をテーマに「ウイズワン」を創業。年間平均100件以上のお見合いを成立させ、昨年度は十数組を成婚に導いている。

㈱オプラスとの提携について綿野代表は「会社が個人の幸せを願い、充実した生活を送るという、お手伝いをしたい。私生活が充実すれば、必ず仕事の効率も上がる。企業と結婚相談所の連携が一般化し、こうした取り組みが普及すれば少子化問題解決の糸口になるのでは」と話している。

福利厚生での結婚相談の問い合わせは、ウイズワン(℡073・482・6700)。

社員の結婚相談などで契約を交わした「ウイズワン」の綿野代表㊧と「㈱オプラス」の上中社長

社員の結婚相談などで契約を交わした「ウイズワン」の綿野代表㊧と「㈱オプラス」の上中社長