津波警戒イエローゾーン指定 県が近畿初

 「津波防災地域づくりに関する法律」に基づき、県は19日、南海トラフ巨大地震による津波の浸水が想定される、県内19市町の津波浸水想定区域を「津波災害警戒区域」(イエローゾーン)に指定する。社会福祉施設などに避難計画の策定などを義務付け、津波避難対策をより確実にするもので、同区域の指定は近畿初。全国では平成26年の徳島、27年の山口、先月の静岡に続いて4県目。

 仁坂吉伸知事が11日の定例会見で発表した。

 イエローゾーンは、津波による人的被害を防ぐため、警戒避難体制を特に整備すべき区域。

 区域内にある、施設利用者の円滑・迅速な避難を確保することが必要と認められる社会福祉施設、学校、医療施設などは、その施設名と所在地が、市町の地域防災計画に記載される。記載された施設の所有者・管理者は避難確保計画を作成し、市町長へ報告の上、公表しなければならない。

 その他、宅地・建物の売買・賃借に際し、その物件が区域内にある時は、その旨を相手方に説明しなければならない▽市町長は施設管理者の同意を得て、避難施設に指定することが可能になる――などの対策が講じられる。

 今回指定するのは、海南市▽有田市▽湯浅町▽広川町▽由良町▽日高町▽日高川町▽美浜町▽御坊市▽印南町▽みなべ町▽田辺市▽白浜町▽すさみ町▽串本町▽古座川町▽那智勝浦町▽太地町▽新宮市――。

 和歌山市が指定から外れていることについて、仁坂知事は「市は津波浸水想定区域外の人も全員に逃げてもらおうと対策を進めており、その避難行動に影響が出てはいけないので、区域の指定は対策が十分浸透してから検討したい」と説明した。

 指定については19日付の県報で告示する他、同日午前9時半から県ホームページ(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/080500/tsunami_keikai.html)にも掲載。区域指定後、県港湾漁港整備課、19市町の役所・役場に図書を備え付ける。

 問い合わせは同課(℡073・441・3165)へ。

イエローゾーン指定を発表する仁坂知事

イエローゾーン指定を発表する仁坂知事