徳川治宝筆の書画 わかやま歴史館で除幕

和歌山東南ロータリークラブ(RC、平平治会長、会員46人)は、和歌山市に紀州藩十代藩主・徳川治宝(1771―1852)直筆の漢詩と絵画「円窓梅花図(えんそうばいかず)」を寄贈し、20日、同市一番丁のわかやま歴史館で除幕式が行われた。

寄贈は同RC設立45周年の記念事業の一環。最適な企画を考えていた際、大阪の画商が同作品を保管していることが判明し、150万円で譲り受けた。大きさは縦42㌢、横61㌢。

漢詩は、青空を背に花々が美しく香り立つ躍動感あふれる春の景色を詠んだ内容となっている。絵は、満開に花を咲かせた梅の枝々を丸い窓越しに見た様子を描いている。

制作年代は、治宝が中納言の位にあった寛政3年(1791年)から文化13年(1816年)の間とみられ、「黄門(こうもん)」と「治宝之章」の印が押されていることから推測されるという。

関係者約20人が出席した除幕式で、尾花正啓市長は「素晴らしい掘り出し物をいただきました」と感謝。平会長(75)は「徳川吉宗将軍就任300年の記念の年に、紀州由縁のタイムリーな物を寄贈できてうれしく思います」と話し、除幕を喜んだ。

治宝の直筆による「円窓梅花図」

治宝の直筆による「円窓梅花図」