圧巻の神輿おろし「和歌祭」行列も華やか

和歌山市伝統の「和歌祭」が15日、和歌浦地区一帯で開かれ、ことしも約1000人の渡御行列を見ようと県内外から訪れた大勢でにぎわった。最大の見どころ「神輿(みおこし)おろし」では、約100人の担ぎ手が神輿を左右に大きく揺らしながら紀州東照宮の108段の石段を下り、「チョーサー!」と威勢のいい掛け声が飛んだ。

和歌祭は毎年5月に行われる紀州東照宮の大祭の渡御の呼称。江戸時代の元和8年(1622)に始まり、かつては日本三大祭の一つに数えられた。

泣かされた子どもは健康に育つといわれる面被(めんかぶり)、華やかな女性行列の舞姫(まいひめ)、竜頭の船屋台に鳳凰を載せた唐船(とうぶね)など、約40種目の行列が青空の下、勇壮に華やかに練り歩いた。

東照宮会館前で出発式があり、和歌祭保存会の和中美喜夫会長は「和歌祭は長年、口から口へと伝わってきた芸と技を見せる行列。400年前に戻って時代絵巻に入っていただきたい」とあいさつした。

来賓の仁坂吉伸知事は「和歌山城まで行っていた和歌祭の時、わーっと泣いていた仁坂少年だ」と面被に泣かされたエピソードを披露し、尾花正啓市長は「仁坂少年が泣いていたという話は(和歌祭に)和歌山城まで来いということだと思う。しっかりと盛り上げていきたい」と応じた。

その後、行列は中山豊若実行委員長の「エイエイオー!」三唱で東照宮を出発。和歌浦漁港、片男波海水浴場、あしべ通りと歩き、5つの演舞ポイントでそれぞれの芸や技を披露、地域は終日カメラマンや観光客で活気付いた。

約100人の担ぎ手による大迫力の「神輿おろし」

約100人の担ぎ手による大迫力の「神輿おろし」