オストメイト支援で感謝状 県内の3人に

人工肛門や人工膀胱を造設した患者「オストメイト」の社会復帰に多大な貢献をしたとして、公益社団法人日本オストミー協会(笹岡勁会長)は、同協会県支部の3人に感謝状を贈った。感謝状の贈呈は県内では初めて。

感謝状を受けたのは、県支部顧問で海南医療センター副院長の佐々木政一医師(64)、県支部顧問で、ひうらクリニック院長の日裏勝医師(58)、県支部の日高隆幸支部長(84)の3人。

同協会は全国組織の患者会。県支部は平成4年に設立され、現在約90人の会員が在籍。相談会や研修会の開催など、オストメイトが安心して暮らせる社会を目指して活動している。

外科医の佐々木医師は、支部発足後、海南市民病院(現海南医療センター)の看護師数人と顧問になり、会員の悩みや質問に応じてきた。紀州語り部や温泉療法専門医の資格を生かし、社会適応訓練の旅行などを通じて会員と交流し、講演も担当している。

日裏医師は平成8年に日赤和歌山医療センター泌尿器科に着任。人工膀胱のオストメイトが少ない中、顧問として研修会などにも参加。約3年前に同センターを退職し、開業後もオストメイトにアドバイスや指導を重ねている。

日高支部長は支部発足以来、幹事や理事を務め、全ての行事の計画や会報作成など、永年事務局の責任者として活動。22年からは支部長を務め、25年の長きにわたり県支部の活動に大きな貢献をしてきた。

贈呈式は、14日に和歌山市であった県支部の定例総会内で行われ、日裏医師は「歴史のある会。今後も患者さんの生の声を聞き、不安な部分を和らげることができれば」と話し、日高支部長は「感慨深いものがあります。これからもより一層、皆さんの相談に応じていきたい」と思いも新た。佐々木医師は「互いに悩みを打ち明けたり、医師に相談できる会。一人で悩みを抱えている方がいれば、ぜひ参加してもらいたい」と話していた。

感謝状を受けた日高支部長㊨、日裏医師(左から2人目)、佐々木医師の代理人と柳岡新支部長

感謝状を受けた日高支部長㊨、日裏医師(左から2人目)、佐々木医師の代理人と柳岡新支部長