郷土愛育むキャリア教育 伏虎中で授業

 職業観や地元で働くことについて中学生に意識を高めてもらおうと、「わかやまキャリアガイダンス」が26日、伏虎中学校(和歌山市七番丁、林素秀校長)で開かれ、2年生61人が学んだ。

 ことしから始めた取り組み。地元で働く大人4人がコーチング、地方新聞、書店、医師の4つの職業に関する授業を行い、生徒らは15人ほどのグループになって、選択した2つの授業を聞いた。

 「和歌山に住んでよかった!地元を愛する本屋さん」の授業では、宮脇書店和歌山店の西田聡社長が忍者に扮し、日本三大連立式平山城の一つに数えられる和歌山城のすごさや、紀州藩に仕え、日本三大忍術伝書『正忍記』を執筆した名取三十郎正澄について授業。生徒は、あまり知られていない和歌山の一面に驚いていた。また、紙芝居で書店や出版の仕事の仕組みも説明し、手元に本が届くまでの流れを生徒は興味深く聞いていた。

 授業を受けた矢野木葉句さん(13)は「教師になりたいと思っているので、地元で学んだことを大切にしたい」、上原拓海君(13)は「楽しい話を聞けて、職場体験に向けて良い経験ができた」と振り返った。

 同校の新堀準一さんは「みんなが笑顔で真剣に学んでくれた。これを機会に和歌山で働くということを考えてくれれば」、同校とともにガイダンスに取り組んだ未来スクール実行委員会の山本理恵さんは「産業と教育をつなぐ良い機会だった一方、課題も見えた。次はいかに解決していくかを考えたい」と手応えを話していた。

書店の仕組みを学ぶ生徒ら

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