川永団地貫通の凍結を 県道計画で住民請願
県が和歌山市の川永団地を貫通する県道西脇山口線の建設計画を進めていることについて、川永団地勤住協自治会の中谷正次会長ら10人が7日、県庁を訪れ、計画の凍結と住民との合意形成を求める2414筆の署名と請願を、仁坂吉伸知事宛てに提出した。
川永団地は県土地開発公社が造成し、昭和44年から入居を開始。翌年に同自治会が結成され、47年に380㍍の中央川水路両岸に98本の桜が植樹された。
周辺の渋滞緩和を目的とする同県道の計画では、桜並木がある中央川水路を暗渠にし、4車線20㍍幅の道路と2・5㍍幅の歩道を建設するとしている。
請願では、県道建設により、自動車の騒音、振動、粉じん、排気ガスなどで閑静な住民生活が激変するなどの住民の不安を示し、十分な配慮を求めている。
県庁を訪れた中谷会長は、進入路が車1台分の幅の区画では、住民が自動車をバックで入庫している現状などを話し、新道路建設により周辺の交通量が増え、大型車などが通過するようになれば、「毎日の入庫が神経を使う大変危険な作業になる」などと具体的に語った。
さらに、44年間、住民が育ててきた桜並木については「貴重な緑地であり、住民の憩いの場。伐採は心情的に耐え難い」と話した。
署名と請願を受け取った伏山充彦県道路局長は、建設計画について「地域交通の利便性向上と交通混雑の緩和を促進するもので、完成のめどがついた段階」との立場を示した上で、「桜の移植や騒音、振動などの環境対策を進めながら、道路建設に必要な測量、地質調査をしていく」と述べ、住民側に理解と協力を求めた。