東証マザーズに上場 農業総研が取引開始

和歌山市黒田に本社を置く㈱農業総合研究所(及川智正社長)が16日午前、東京証券取引所マザーズに上場し、取引を開始した。農産業ベンチャー企業として初の上場で、同社を含めて県内の上場企業は9社となった。

及川社長(41)は「地方に本社を置く泥臭い農業のベンチャー企業でも、頑張れば、ゼロからでも上場まで成長できることを証明できた。『和歌山でも』ではなく『和歌山だから』上場できたことを、県内外へ情報発信していく。これからも農業の発展のため、農業ベンチャー初の上場企業として頑張っていく」と喜びと意気込みを話している。

及川社長は東京農業大学卒。脱サラ後、美浜町でキュウリ農家を約3年半、大阪で八百屋を1年間経験し、「流通の仕組みを変え、農家をメーカーにしたい」との思いで平成19年10月、50万円の自己資金で同社を起業。現在の資本金は4200万円。従業員は50人。

全国の生産者(現在約5400人)とスーパーマーケット(約630店)をダイレクトにつなぎ、農家が価格や売りたい物、販売先を決定できる「農家の直売所」事業を展開し、農産物の集荷拠点は全国に約50カ所、県内に7カ所ある。

東証マザーズでの初日午前の取引は1780円からスタートし、11時半現在の株価は2250円。同社は27万株を公募、15万5500株(追加分も含む)を売り出し(100株単位)、上場時の発行済株式総数は公募分を含め204万株となっている。

及川社長

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