正社員の採用強化依頼へ 働き方改革会議
行政と民間が協働で県経済の課題解決に向けて議論している「和歌山働き方改革会議」が和歌山市の和歌山労働局で開かれ、正社員求人の割合が全国平均を下回っている県内の現状を受け、労働局など行政側が企業を訪問して正社員の採用強化を依頼する「求人見直しキャンペーン」を展開することで合意した。
昨年6月から開始し、先月27日に3回目の会合が開かれた。同労働局や県など行政側の他、労働者側3人、使用者側3人、金融機関からきのくに信用金庫、紀陽銀行職員の計18人が出席した。
県内の求人の状況を見ると、新規求人数に占めるパートタイム求人の割合は、ことし4月が48・9%(全国平均40・6%)と、全国平均を上回る状況で推移。正社員求人割合は、昨年度の全国平均41・5%に対し県内は36・6%にとどまり、企業が正社員採用に消極的な状態が続いている。また、パートタイムを除く常用求職者の割合は昨年度が65・2%で、正社員求人と一定のギャップが存在している。
会議では、金融機関2社が、各社で取り組む女性活躍推進の人材活用や、顧客事業主の新入・若手社員を対象にした研修の実施、中小企業合同企業説明会の開催など、地域経済活性化への取り組みを紹介した。
同労働局の担当者は「有効求人倍率は増加傾向にあり、企業の採用意欲は、高まっている」とし、「人材の県外流出を止めるなどの観点からも、正社員で長く県内で生活して働いてもらいたい」と、今後の活動への意欲を話した。