アジア大会で表彰台 北高レスリング辻兄弟
県立和歌山北高校レスリング部の3年生、辻大成君(17)と開成君(17)兄弟が台湾で行われたアジア・カデット選手権に出場し、初めての国際大会でいずれも表彰台に上る活躍を見せた。同選手権で入賞した同校の選手は2人を含めて5人となった。
同選手権は、中学3年から高校3年の世代の選手がアジア各地約20カ国から集い、7月7~10日に開催。男子はフリースタイル、グレコローマンスタイルの2種目で競い、大成君はフリースタイル76㌔級で2位、開成君はグレコローマンスタイル69㌔級で3位となり、そろってメダルを獲得した。
2人は4月に行われたJOCジュニアオリンピック・カップ全日本ジュニアレスリング選手権に出場し、大成君はフリースタイル76㌔級で、開成君はグレコローマンスタイル69㌔級で2位に入賞し、アジアへの切符を手にした。
日本選手団36人の一員として出場した今回が、2人にとって外国での初めての試合。8年前にレスリングを始めたときから全国を目指してきたが、アジアにまで行けるとは思っていなかったという。
同選手権の試合は2ラウンド制。外国選手は体も大きく、力も強い。1ラウンドから激しく攻めてくる相手をいなし、体力を消耗した相手を2ラウンドで押し返し、隙を見て攻める持久戦になることも多々あった。
大成君は決勝まで勝ち上がったが、長身のイラン選手との決勝は持久戦となり、ポイントをほとんど奪えないまま敗れた。相手のペースに流され、体力を消耗してしまったと振り返った。
開成君はインドの選手に2回戦で敗退するも、3位決定戦でタイの選手を破り、3位に食い込んだ。タイの選手とはハードな試合展開となり、1ラウンドでは相手の猛攻を受けたが、監督の「相手のペースに巻き込まれずに攻めろ」という言葉を守り、奪った1ポイントを死守して勝利した。
大成君は「2位だったが、初めてのアジア大会では良い結果だと思うし、自信にもつながった。次からも経験を思い出して頑張りたい」、開成君は「3位決定戦では技もほとんど出せなかったが、諦めないことを一心に頑張った。相手が強くても、劣勢でも諦めないことをこれからも大事にしていきたい」と、初めての国際大会での成果を話していた。