子ども落語全国入賞 楽落会の小学生2人
落語を中心に地域に笑いを届けるボランティア団体「わかやま楽落会」の小学生落語家2人が「第8回ひむかの国こども落語全国大会」(7月30、31日、宮崎県)で大活躍。「甘辛亭ちきん」こと坂井俊介君(岩出市立中央小4年)が日本一の最優秀賞に、「抱っこし亭大好き」こと江川心生君(和歌山大学付属小4年)が審査員特別賞に輝いた。
同大会でのわかやま楽落会メンバーの入賞は、昨年の第7回大会で「勇気出し亭うな晴」こと中部晴陽君(当時和歌山市立雑賀小5年)が優秀賞を受賞したのに続く快挙。
同大会は小学生と中高生の2部門で、今回は小学生の部に全国の31人が出場。予選は一人10分で落語を披露し、上位4人が決勝に進み、最優秀賞を争った。
坂井君は「平林」を、江川君は「反対俥」を披露。2人とも今まで演じた中で一番面白いと思った演目を選び、江川君は日本語と英語の2カ国語で演じた。
「平林」は、手紙の宛名の読み方を巡るドタバタを描いた演目。全て演じると10分を超えるため、坂井君は絵本やCDの内容から組み合わせて、母親と一緒に時間内に収まるバージョンを作って練習を重ねた。
江川君は自身の落語を特徴づけるため、「皿屋敷」「堪忍袋」などの英語レパートリーを持ち合わせており、今回もその中から選んだ。2つの台本を覚えなくてはいけないので、母親との練習は厳しかったとのこと。
大会予選は約5時間の長丁場で、2人は前半に登場。早い段階で高座に上がることができたので、疲労を感じることなく普段通り演じられたという。
坂井君は決勝に進出し、待ち時間の間に高まるプレッシャーと闘いながらも200人の観客と審査員を大いに笑わせ、会場を盛り上げた。
2人は、わかやま楽落会のワークショップやイベントに出演してきたので、人前で演じること自体に緊張は感じなかったと振り返る。
坂井君は「『本当に最優秀賞を取れたのかな?』といまだに思うくらいびっくりしています。これからももっと人を笑わせたい」、江川君は「賞が取れてひと安心。お母さんと、入賞したらハムスターを買ってもらう約束をしていたので家にハムスターが来てうれしい。来年は優勝したい」と受賞を喜んでいた。
わかやま楽落会事務局長の池田信義さんは「ワークショップも、お客さんのいない寄席でも、どんな舞台にも積極的に上がった2人の普段からの努力が実を結んだと思います」と話していた。