大野小が創立140周年 記念集会にOB

海南市山田の市立大野小学校(西村充司校長、児童247人)は9日、創立140周年を迎え、同校体育館で記念集会を開いた。同校OBで大野地区連合自治会長の山本章さん(92)らが在学当時の様子などを語り、同校の昔と今を結びながら節目を祝った。

同校は明治9年9月9日、大野尋常小学校として開校し、大正2年5月に高等科が併置認可され、大野尋常高等小学校に。昭和9年5月、市制施行に伴い、海南市大野小学校と改称、同22年4月に現在の校名となった。同57年4月には県立海南高校近くにあった校舎が現在の場所に新築移転した。

記念集会には全児童が参加し、西村校長は、開校した明治9年当時の衣食住の様子、昔の学校の写真などをスクリーンに映し出しながら歩みを振り返った。

山本さんは、同校に通っていた約80年前の子どもたちの様子や地域との関わりについて講話。現代のようなゲーム機器がなかった時代、上級生も下級生も一緒に山で遊び、今のようないじめはなかったという。「けんかはあったけど、強い人が弱い人を相手にすることはなかった」と当時の児童の様子を話し、「切磋琢磨し合うことは大切です。友達同士なるべく仲良くしてください」と話した。

同校育友会は140周年に合わせ、全児童の集合写真や校歌がデザインされた記念の下敷きを全児童にプレゼント。校舎移転時に小学生だった同校育友会長の鍋嶋崇之さん(43)は「皆さんしかもらえない貴重な下敷き。一生の宝物にしてほしい」と児童に話した他、「開校当時の校舎はきれいでしたが140年たてばくたびれている所もあります」とし、「皆さんも大野小学校にプレゼントしてほしいことがあります。150周年、200周年もきれいで立派な校舎であるために、日頃の掃除を一生懸命して、備品を大切にしてください」と呼び掛けた。

児童代表で6年の有本昴史君(11)が鍋嶋さんから下敷きを受け取り、全児童で校歌を歌って感謝を伝えた。

児童に80年前の学校の様子を伝える山本さん

児童に80年前の学校の様子を伝える山本さん