奨学金返還を助成 和歌山市が参画企業募集
地域に就職・定着する人材の確保に向けて、和歌山市は、市奨学金返還助成制度に賛同し、将来従業員となる学生の奨学金返還を支援する企業の募集を11月から始める。県は同様の制度をすでに導入しているが、県内市町村では初めて。
市議会9月定例会で市奨学金返還支援基金条例が成立したことを受けての募集。市は基金への積み立てに4000万円の予算を確保しており、来年4月から、平成31年3月31日卒業見込みの大学3回生らを対象に、制度を利用する学生も募集する。
助成額の上限は、2年制50万円、3年制75万円、4年制100万円、6年制150万円。市と参画企業が助成額の各2分の1を負担し、基金に積み立てる。大学生、短大生、大学院生、専門学校生が対象で、卒業後に市内に居住し、市内の制度参画企業や業種に3年間勤めることが条件。対象業種は、病院や診療所、歯科医院、医薬品販売店、介護老人福祉施設などの専門的職種。参画企業は会社説明会やインターンシップを実施することが努力義務として規定されている。
市政策調整課によると、初年度の助成対象者は約40人を想定。事前調査では、76社が制度に賛同の意向を示しているという。県の制度との重複については、県が主に製造業や情報通信業の技術職を対象としているのに対し、市の制度は医療や介護分野を対象とし、すみ分けを図っている。