たま児童書を寄贈 和歌山電鐵が県内小に
全国読書週間(27日~11月9日)に合わせて、和歌山電鐵㈱(本社=和歌山市伊太祈曽、小嶋光信社長)は、小嶋社長が執筆した児童書『ねこの駅長たま びんぼう電車をすくったねこ』(角川つばさ文庫)を県内の市町村立小学校247校(分校含む)に寄贈した。26日、紀の川市貴志川町神戸の貴志駅で贈呈式が行われた。
同書は小嶋社長が名誉永久駅長「たま」に成り代わってその生涯をつづっている。たまの写真やイラストを交えて、「駅で生まれた子ねこ」「世界で初めて!? ねこの駅長」など9項目にわたって、「ねこの駅長」として貴志川線を廃線の危機から救い、地域から愛されたたまを書いている。
7月15日に初版1万部を発売し、2日目には2000部を重版する人気となり、発売から3カ月余りの現在までに増刷4回、1万9000冊を販売している。今回、たま駅長就任8周年を記念して昨年1月に創設した「たま駅長基金」(総裁=たま駅長)の特例第1回として、たま駅長を大好きだった子どもたちに書籍の寄贈を決めた。各校2冊ずつの計494冊が届けられる。
贈呈式には宮下和己県教育長、同駅の地元から中貴志小学校(上中史子校長)の児童会6年の坂口雄厘君、中西絢菜さん、岩井優花さんの3人が出席。同駅駅長で「たまⅡ世駅長」のニタマと小嶋社長が「たまちゃんの心の優しさ、夢のある行動が社会の役に立ってもらえれば」と願いを込めて同書を手渡した。
寄贈を受け、児童会児童長の坂口君は「本を大切にしたい」。宮下教育長は「電車、地域、生き物などに対する小嶋社長のたくさんの思いが詰まっている。親子で読んでほしいですね」と話し、寄贈を喜んだ。
副児童長の岩井さんは「たま駅長は和歌山の人気者。頂いた本を学校中で読み合い、たま駅長をもっと有名にしたい」と笑顔だった。