書家の名手さんら受賞 和歌山市文化表彰
和歌山市は、本年度の文化表彰の受賞者4人と1団体を発表した。文化賞は書家の名手隆子(朱舟=あけふね)さん(82)。文化功労賞は長唄の兵谷晶子(杵屋栄七珠=きねやえなじゅ)さん(63)、フラメンコ舞踊家の森久美子さん(61)。文化奨励賞はバイオリニストの北島佳奈さん(35)と市民団体「孫市の会」(森下幸生会長)。表彰式は15日午前10時から、同市和歌浦南の和歌の浦アート・キューブで行われる。
昭和57年度に創設され、ことしで35回目。これまでに文化賞33人、文化功労賞58人2団体、文化奨励賞31人21団体が受賞している。
文化賞の名手さんは天石東村氏、桑田笹舟氏らに師事。かな書の研さんを深め、近年では漢字とかなを調和させた親しみやすい作品を発表。高校や大学でも教壇に立ち、門下生が「朱睦会」を結成するなど後進指導の功績も大きい。
文化功労賞の兵谷さんは伝統文化の長唄の継承に努め、全国の舞台で奏者として活躍。「長唄 栄七珠の会」を結成し、後進の指導にも当たる。教職員や子どもたちへの指導など、学校教育にも貢献している。
森さんは本場スペインで技術を磨き、帰国後は舞踊講師として活動しながら、和楽器やイリュージョンを取り入れた「和のフラメンコ」の作品を精力的に発表。和歌山フラメンコ協会を設立するなど、地元での普及に尽力している。
文化奨励賞の北島さんは京都市立芸術大学・大学院を首席で卒業。一般財団法人地域創造公共ホール音楽活性化事業支援アーティストとして、全国各地で地域に密着した音楽活動を展開。昨年には初のCDを発表し、今後の活躍にも期待がかかる。
「孫市の会」は、雑賀衆や雑賀孫市が活躍したとされる戦国時代に焦点を当て、手作りの甲冑(かっちゅう)姿で学校を訪れ、郷土の歴史を紹介。「孫市まつり」の開催や市外に出向いたPR活動など、市の歴史文化を広める活動を積極的に行っている。