高齢者の交通事故防げ 地域連携の安全講習

 高齢者の交通事故を防ぐため、海草振興局は本年度から、行政、警察、地域の老人クラブなどが連携した交通安全対策事業に取り組んでいる。紀美野町老人クラブ連合会を対象とした講習会を海南市且来の「ドライビングスクールかいなん」で初開催し、高齢者ドライバーが自身の運転能力を再確認した。

 講習会には同連合会から18人(63~82歳)が参加。身近な人に日頃から運転の注意点などを促してもらうため、家族の付き添いも呼び掛け、3家族が一緒に参加した。

 同署交通課の加藤賢治課長が講話し、「臨時高齢者講習」の新設などを盛り込んだ改正道路交通法(来年3月12日施行)を説明。参加者は同スクール内のコースを運転して技量を確認し、測定器で反射神経などの身体能力を検査した。

 その後、参加者と家族を交えた個別面談を行い、署員や指導員が講習の中で気になった点をアドバイスした。

 参加した堀口和夫さん(75)は「旅行が好きで、車で京都や滋賀、県内では周参見まで出掛けます。標識を守ること、気持ちにゆとりを持って運転することを心掛けたいと改めて思いました」。付き添った妻の義子さん(72)は「紀美野では車がないと生活が不便になります。講習を開いてくれると、免許を取った時の初心を思い出せます」と話した。

 海草振興局総務県民課の神田伸二課長は「家族を交えて交通意識を高める機会にしてもらえれば」と話していた。

 同署によると、交通事故に占める高齢者ドライバーの割合が増加傾向にあり、加藤課長は「交通弱者をバックアップする体制を整えなければいけいない」と力を込めた。

講習後にアドバイスを受ける参加者

講習後にアドバイスを受ける参加者