メダリスト朝原さんが指導 親子運動教室
心身ともに生き生きと生きるために、五輪出場経験を持つアスリートが選手生活で得た知識や経験を社会に還元しようと活動している「アスリートブレーンズ」主催の親子運動教室が27日、和歌山市手平の和歌山ビッグホエールで開かれ、北京五輪の陸上4×100㍍リレーの銅メダリスト・朝原宣治さん(44)が小学生の親子ら約420人を指導し、共に汗を流した。
アスリートブレーンズは、陸上の為末大さんを代表に、朝原さん、松下浩二さん(卓球)、竹下佳江さん(バレーボール)、武田美保さん(シンクロナイズドスイミング)、村主章枝さん(フィギュアスケート)の6人のオリンピアンらでことし3月に立ち上げられたチーム。
真剣に自身の体に向き合ってきたトップアスリートの経験や感性から、多くの生活者に勧めたい商品を認定する「推奨マーク提供事業」、新しい商品やサービスを開発する「共同開発事業」などに取り組んでおり、今回の教室は、それらの事業で得られた収益の一部で運営する「アクティブヘルシーバンク」の初開催の事業となった。
参加者の前に登場した朝原さんは「スポーツの価値を還元し、生き生きとした社会をつくりたい」とアスリートブレーンズの活動の趣旨を紹介し、教室はスタート。準備運動としてまずアリーナを全員で3周走り、その後は朝原さんが実演を示し、参加者は手足を伸ばし、関節をほぐすなどの体操に取り組んだ。
朝原さんが紹介する運動は、親子ペアで行うものなどもあり、多彩な内容。子どもが直立した姿勢を保ちながら体を斜めに倒し、保護者がそれを支える動きや、保護者があおむけになって足の上に子どもを乗せ、子どもは飛行機のように手足を伸ばす動きなどでは、それぞれの家族が楽しみながら体を動かし、次第にリラックスした様子で笑顔が広がった。
走り方やリレーなどの指導もあり、短距離走の第一人者の動きと解説に、参加者は熱心に見入り、聴き入った。
朝原さんは「子どものころからやっておくと良い運動や体操はいろいろある。この教室をきっかけに、走ることを好きになってくれたり、何かしらの刺激になればうれしい」と期待を寄せた。
陸上や水泳に取り組んでいるという和歌山市立高松小学校3年の荒井遥さん(9)は「もっと格好良く走れるようになりたい。朝原さんに教えてもらえて楽しかった」と笑顔で話していた。