折り畳みストレッチャー 開発2社県に寄贈
建設機械、福祉用具のレンタル・販売を行う㈱マルトミレンタ(和歌山市井戸、冨田博文社長)と合同会社介護タクシー・アド(大阪府八尾市、雑賀宗清代表)は、共同で開発した、折り畳み式で収納や持ち運びに優れたストレッチャーを県に寄贈した。
寄贈されたストレッチャーは、折り畳んでコンパクトに収納でき、総重量23㌔と軽量で約1分30秒で組み立てができるのが特長。高さも3段階で調節でき、担架と台車が外せるので人以外の物資の運搬も可能。
東日本大震災の際に災害派遣医療チーム(DMAT)の補完組織として活動した介護タクシー・アドの救急搬送器具営業担当、雑賀清治郎さんの体験を基に開発。雑賀さんによると、災害現場では、救出されたにもかかわらず、傷病者を寝かせる安全な場所がなかったために亡くなった人も多かったという。そんな理由による死者を減らすため、普段はコンパクトに、必要な時には簡単に使えるストレッチャーの開発に取り組んだ。
県庁で寄贈式が行われ、冨田社長と雑賀代表、雑賀さん、片桐章浩県議、県福祉保健部の幹部職員らが出席。冨田社長から、県立こころの医療センターの森田佳寛副院長にストレッチャー1台が引き渡された。
森田副院長は「病院にあるストレッチャーも古くなっており、災害時以外にも日常的に活用していきたい」、雑賀代表は「AED(自動体外式除細動器)のように、ストレッチャーも学校や施設にあるのが当たり前になっていけば。病院だけでなく、どんどん広まってほしい」と話していた。