和歌浦天満宮に酉の絵馬 洋画「四季の会」
新年を前に、和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮(小板政男宮司)で、境内の絵馬が掛け替えられ、洋画グループ「四季の会」(中森順一代表)会員で、同市六十谷の米倉くに子さん(74)による酉(とり)の絵馬が掲げられた。
同会は平成11年から毎年絵馬の制作を続けており、今回は米倉さんが大(133㌢×88㌢)、小(67㌢×45㌢)の2枚を奉納した。
大絵馬には太鼓に止まる鶏が明るい色調で描かれ、同宮本殿にある鶏の彫刻をモチーフに約2カ月かけて仕上げた。中国の故事「諫鼓(かんこ)苔むす」から「太鼓を鳴らす必要がないほど世の中が平和であるように」という願いが込められている。小絵馬は鶏一家のだんらんをテーマに描いた。
米倉さんは「明るい気持ちになってお参りいただけるような絵を心掛けました。描いていて楽しかった」と話す。
3日、奉納のため同宮を訪れた米倉さんに、小板宮司は「長年の技術を生かし、立派な絵馬を奉納していただき感謝します」と伝え、感謝状を贈った。
天満宮の本殿は、慶長11年(1606)に紀伊領主・浅野幸長によって再興された社殿で、国の重要文化財。内外部ともに美しい極彩色が施され、本殿左右に中国の故事を題材に一刀彫で動物や草花が奉納されている。