新漁業取締船「はやぶさ」 県が就役披露
海上で違法操業の検挙などにあたる県の漁業取締船のうち、「新はやぶさ」の老朽化を受けて県が開発を進めてきた新型船「はやぶさ」が竣工し、26日に和歌山市毛見の和歌山セーリングセンターで就役披露式が開かれた。
漁業取締船は漁場の秩序維持を目的に、操業区域や漁獲時期などの違反を検挙する他、ライフジャケットの着用指導など海の安全確保に向けた対策を行っている。平成22年に3隻から2隻体制となり、現在は平成7年就役の「新はやぶさ」と同14年就役の「みさき」がそれぞれ和歌山港と田辺漁港を拠点に活動している。
就役披露式では、県の鎌塚拓夫農林水産部長が仁坂吉伸知事の式辞を代読。「すでに周知されている先代の名前を踏襲した。県内の豊穣な海を守るため、漁業取り締まりの役割はますます重要となっている」と述べた。続いて建造の経過が報告され、設計監理を㈲木原高速艇研究所(神奈川県)、建造を鈴木造船㈱(三重県)が手掛けたことを紹介。推進装置のプロペラを3枚翼から5枚翼に増やしたことで速力が28ノットから36ノット(約67㌔)に上昇したことが説明された。
その後、船の前で浅井修一郎県議会議長ら5人によるテープカットを行い就役を祝った後、船内の見学が行われ、参加者らは船内に取り付けられた最新の設備に驚いた表情を見せていた。
「新はやぶさ」に続いて船長を務める小山和樹さんは「速度が上がっただけでなく、振動も小さくなった。漁業秩序を維持するため、全力で任務に当たりたい」と意気込みを語った。
「はやぶさ」は総トン数が38㌧、船体は全長22・5㍍、幅4・9㍍、深さ2・4㍍、軽合金(アルミニウム)材が使われている。
現在使われている「新はやぶさ」は退役し、官公庁のオークションを通じて売却される予定。