絵画と音楽を一緒に 県立図書館で演奏会

和歌山市西高松の県立図書館内メディア・アート・ホールで6日、ことし最初のエントランス・コンサートが開かれ、観客がピアノの独奏を楽しんだ。

同事業は一年を通じて定期的に開かれており、ピアノを中心にしたさまざまな演奏会が開かれている。

今回は県の芸術振興に向けた和歌山大学教育学部との連携の一環で、同学部3年生の山原真菜さんがエリック・サティの「スポーツと気晴らし」を演奏した。

サティは西洋音楽が重んじてきた調性音楽や和音進行から外れた作風で「音楽界の異端児」とも評されたフランスの作曲家。同曲は装飾画家シャルル・マルタンの風俗画1枚1枚にピアノ曲を付けた小曲集で、序曲を含む21曲からなる。

今回は絵画、音楽、言葉の総合芸術としての面白さを知ってもらおうと、ピアノの演奏に合わせてプロジェクターでマルタンの絵画とサティの詩を映す斬新なスタイルの演奏会となった。

楽譜をめくるのに合わせて「ヨット遊び」「カーニバル」、「ウォーター・シュート」などの絵画が1枚ずつ映され、観客は視覚と聴覚の両方からサティの不思議な世界観を体感した。

コンサート後、山原さんは「学内で演奏したことはありましたが、一般のお客さんの前では初めて。変わった曲ですが、プロジェクターを使った試みとともに楽しんでくれたら」と話した。

ピアノに合わせて絵画が映し出された

ピアノに合わせて絵画が映し出された