有権者の関心低く陣営は苦慮 岩出市議選
岩出市議選は中盤戦に突入した。現職は実績を武器に、地盤を固めて着実に票の上積みを狙う。一方の新人も、浮動票の取り込みや現職票の切り崩しを図り対抗。序盤はほとんどの候補者が街宣車で市内全域を巡回しているが、有権者の関心の低さを痛感している陣営が多い。
昭和31年、岩出町、山崎村、根来村、上岩出村と小倉村の一部(船戸、山崎)が合併して岩出町が誕生した。町内は宅地開発やニュータウン建設が進み、県内や大阪府からの新住民が増加。町は平成18年に市に移行し、人口は5万人を超えた。
今回の選挙で旧山崎村にあたる地区は、候補者の多い激戦区。平成24年4月に、県道粉河加太線と国道24号をつなぐ市道安上中島線の全線供用が始まったのに伴い、近年では沿線の曽屋、中黒などで分譲住宅の開発が進んだ。
新住民が多い背景もあるためか、山崎地区に事務所を構える陣営は特に、有権者の関心の低さを口にする。ある現職陣営は「選挙だと知らない人がいる」と嘆き、「『結構です』『忙しいから』と突き放されることがある」と、会ってすらもらえないケースが多いという。
また、岩出から大阪や和歌山市内に通勤する有権者は、日中の留守が多く、成果を得られないことも。「今までの選挙戦より厳しい印象を受ける。1件1件お願いするしかない」と力を込める。
中には、新興住宅地での活動を諦めたという候補者もいる。その理由を「効率よく回るため」と説明。支持者の紹介や後援会入会者を中心に選挙戦を展開していく。さらに、ベテラン現職も「(新住民と)つながりがないから、票をもらうのは難しい」と分析。「関心を持ってもらえると、市はもっと変われるんやけど」とこぼした。
23日現在の期日前投票者数は380人(男173人、女207人)。