和大と大阪府大が連携協定 観光分野などで
和歌山大学(瀧寛和学長)と大阪府立大学(辻洋学長)は24日、大学院を中心に教育・研究活動で互いに協力する「包括連携協定」を締結した。和歌山市栄谷の同大で開かれた締結式には、両大の関係者が出席し、瀧学長と辻学長が協定書に調印した。
両大はこれまでに、工学分野の研究者同士が研究成果を発表し合う「工学研究シーズ合同発表会」の開催や、文部科学省が推進している大学の地域貢献事業「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」(COC+)での協力など、さまざまな分野で連携。約1年前に包括連携協定の締結構想が双方の間で浮上し、今回の締結に至った。
締結式で瀧学長は「両大が持つ強みを合わせて教育や研究、地域貢献に進んでいきたい」とあいさつし、辻学長は「非常にうれしく思う。本学は大阪の南にキャンパスがあり、大変近く感じている。(連携を)一歩進んだものにしていきたい」と喜びを語った。
連携は同日から5年間(更新制)。和大大学院観光学研究科と府立大大学院経済学研究科の間で単位互換や共同研究を行う。連携の詳細は今後協議して決定する。
辻学長は和大大学院観光学研究科について「教員の人数をはじめ、国内一だと思っている」と高く評価。「共同研究所の開設や、生命環境科学域の知見を生かした農業従事者へのリカレント教育(生涯学習)などもできたらと考えている」と話し、観光や経済にとどまらず、幅広い分野での連携に意欲を示した。瀧学長は技術開発について「現代はオープンイノベーションが重要。いろんな産業と積極的に協力していきたい」と話していた。
両大は、ことし8月に大阪府岸和田市の和大岸和田サテライトで、学生や地域住民を対象とした両大の教員による講義「文化資源と地域再生」を開く。