県食材のレシピ考案へ 有名シェフ産地視察

 和歌山の食材を使ったレシピを考案することなどを目的に、世界的に活躍するフレンチシェフや料理研究家ら13人が2月24~26日の3日間にわたって来県し、県産品を生産、加工する産地12カ所を巡り、生産者と直接ふれあい、食材への理解を深めた。

 産地視察には、東京やラスベガス、ニューヨーク、台湾などで新店舗の立ち上げから総料理長を務め、独立のために平成26年に「SUGALABO Inc.」を設立したフレンチシェフ・須賀洋介さんをはじめ、各国の家庭料理を学び、同5年から東京都で「松田美智子料理教室」を主宰する傍ら、日本雑穀協会理事やテーブルコーディネーター、料理本執筆など多方面で活動する料理研究家・松田美智子さんらが参加した。

 県食品流通課の職員が同行し、梅やサンショウ、紀州備長炭、日本酒などの特産品の生産現場を案内。本紙エリアでは、清流にこだわり、日本酒米の山田錦を自社田で栽培する酒造会社「平和酒造」(海南市溝ノ口)、季節の農産物を用いた宇城農園のジェラート店「キミノーカ」(紀美野町三尾川)、サンショウやシュロ製品を生産する「山本勝之助商店」(同市阪井)を訪れた。

 山本勝之助商店では同商店の土田高史さんが、収穫したその日のうちにサンショウを乾燥させ、注文を受けてから枝、種を取り除き、石臼でひく商品の生産過程を説明。さらに、石臼でサンショウをひく作業に60年近く携わり、商品を手掛けている辻了(さとる)さんが石臼での作業を実演し、一行にサンショウの爽やかな香りやひき立ての味を伝えた。

 須賀さんは視察の様子を自身のインスタグラムで紹介している他、今後、女性誌「婦人画報」(平成29年5月号)内で県産食材を紹介し、レシピの考案などに取り組む予定。松田さんも、毎日新聞で県産食材を活用したレシピの掲載などを予定している。

辻さん㊧の実演を見学する須賀さん㊥、松田さん

辻さん㊧の実演を見学する須賀さん㊥、松田さん