悲願の電卓「名人」取得 和市の岡本さん
電卓による計算の速さと正確さを競う「第164回電卓技能検定試験」で、和歌山市西庄の岡本景太さん(23)が参加者中最高位の「名人位」に輝いた。13回目の挑戦で悲願の目標を達成した岡本さんは「努力が実を結び、うれしい。次は、全国で男性の取得者が出ていない(検定最上位の)満点名人位を目指したい」と早くも次の目標を見据えている。
同検定は、一般財団法人日本電卓技能検定協会が主催。同市松江北の江川珠算塾に通う岡本さんは、名人位に次ぐ認定位「範士十段」を平成25年に取得しており、昨秋実施の今回の検定で、2400点満点中2270点を必要とする名人位を獲得した。
岡本さんは小学校2年生の頃から同塾でそろばんを習い始め、県立和歌山商業高校進学後は電卓に力を入れてきた。大阪経済法科大学(大阪府八尾市)では経済学や簿記などを学ぶ傍ら、名人位への挑戦を続けていたが、試験の難易度が非常に高く、毎回あと一歩のところで涙をのんでいた。現在は同市十番丁の水城会計事務所に勤務し、顧客企業の経理代行などの業務に励んでいる。
同検定は、掛け算・割り算・伝票算・見取り算の4科目を40分以内に解答する方式で、認定級・段位ごとに各科目と全体の基準点が設けられるなど、計算の速さと正確さ、集中力が求められる。岡本さんは試験の直前期間は毎日同塾に通い、江川正博代表(67)のアドバイスを受けながら受験に備えた。
岡本さんはそろばんや電卓の魅力を「一つ段を重ねるごとに新しい目標が持てること」と話し、今回の名人位挑戦について「自信はなかったが、塾で仲間と切磋琢磨したことが力になったと思う」と振り返った。
指導した江川代表は「表情を見て、何となく今回はいけるんじゃないかと思っていた。次は最高位の満点名人位を目指してほしい」とさらなる活躍に期待を寄せた。
同塾からの名人位取得者は4人目。岡本さんは「満点名人位はまだ塾から出ていないので頑張りたい。将来は税理士として活躍したいと思っている」と抱負を話していた。