プロ棋士が学生指導 和大と関西棋院が協定

和歌山大学(和歌山市栄谷、瀧寛和学長)と一般財団法人関西棋院(中川和雄理事長)は8日、囲碁を通じた学生の能力向上などに共同で取り組むため、連携協定を締結した。同大は来年度から教養科目「囲碁から広がる教養の世界」を開講し、関西棋院常務理事の今村俊也九段らが指導に当たる。

同大によると、同大経済学部の卒業生から、授業での囲碁活用について提案があったという。囲碁を授業に取り入れる大学は増えているが、関西棋院と協定を結んだ大学は同大が初めて。

調印式は同大学長室で開かれ、瀧学長や今村常務理事ら両者の関係者が出席し、協定書に調印。瀧学長は授業で囲碁を学ぶことについて「頭を使って問題を解決する訓練になると思う」と論理的思考力向上の効果に期待を寄せ、今村常務理事は「囲碁はどうすれば上達できるかをずっと考える競技。試験では、これだけは覚えてほしい3点を中心に出題を考えている」と話した。

同講義は全15回の構成で、対局指導などを通じて初心者の学生が13路盤や19路盤で対局できるレベルまで到達できるようにすることを目指す他、囲碁の歴史的・文化的・社会的側面や人工知能などに焦点を当てるミニ講義も毎回行う。学部や学年を問わず受講が可能で、定員などの詳細は未定。

協定書を手にする瀧学長㊨と今村常務理事

協定書を手にする瀧学長㊨と今村常務理事