光が生む不思議な表現 上房さん初写真展

 和歌山市の上房(かみふさ)康裕さん(53)の写真展「モノ事の始まり」が20日まで、和歌山市十一番丁のギャラリーTENで開かれている。画用紙で作った造形作品に光を当てて撮影した不思議な表現が、「まるで絵画のよう」「どうやって撮影するのか」と来場者を驚かせている。

 上房さんは仕事の傍ら趣味で4、5年ほど前に写真を始め、今回が初めての個展開催となる。「糸巻き男爵」と名付けたモチーフを出発点に、イメージを膨らませて撮影した10点が並ぶ。上房さんによると、光の当て方や強弱を変えることで、金属のような質感や立体感を生むという。

 また印刷している紙は、漆喰(しっくい)を織り交ぜた特殊なもので、重厚感があり、フレスコ画のような雰囲気。紙の柔らかな曲線の影が余韻を漂わせ、タンバリンやアコーディオン演奏を聴いて生まれた作品や、新体操のリボン演技のように躍動して見える作品もある。上房さんは「混ざり合う中で生まれるハーモニー、光や音、波を表現したいですね。この不思議な空間を、見た方に好きなように楽しんでもらえれば」とにっこり。

 個展のタイトルには、挑戦と新たなスタートへの思いを込めた。「撮りたいものをやっと見つけた。これからこの人形たちがどう進化していくのか、楽しみでもあります」と話している。

 午前11時から午後6時(最終日は3時)まで。19、20日は上房さんが在廊する。問い合わせは同ギャラリー(℡073・422・6311)。

独特な表現の写真が並ぶ会場で

独特な表現の写真が並ぶ会場で