審判32年の宮田さんに感謝状 市高OB会

 32年にわたり審判員として高校野球のグラウンドに立ち、県高校野球連盟副審判長を務めた宮田宗男さん(63)が昨夏の県大会を最後に勇退し、3月31日、出身校の和歌山市立商業高校(現・市立和歌山高校)の野球部OB会から感謝状を贈られた。

 宮田さんは同市立西和中学校を経て市和商に進学し、外野手として活躍。2年時の秋の近畿大会では優勝したが、チームは他部の不祥事により選抜出場を辞退した。卒業後は花王石鹸㈱(当時)和歌山工場に入社し、同社軟式野球部で選手、監督を務めた。

 高校時代にあと一歩で甲子園出場を逃した悔しさから、審判員として甲子園を目指すことを決意した宮田さんは、昭和60年から高校野球の県大会で審判を務め、6年前からは県高野連の副審判長を務めてきた。平成11年春には選抜大会に派遣され、念願だった甲子園の審判員を経験している。

 後進の育成にめどが立ったこともあり、昨夏の県大会準々決勝、橋本―南部戦を最後に勇退することを決めた。

 感謝状の贈呈式は同市六十谷の母校のグラウンドで行われた。宮田さんは市高と八日市高(滋賀)の練習試合の球審を務め、後輩の現役部員たちも見守る中で式に臨んだ。

 市和商・市高野球部OB会の土橋義紀会長から感謝状の盾、野球部の藪井幹大主将(新3年)から花束を手渡された宮田さんは「今後は後進の指導に力を注ぎながら、中学生の硬式野球や市高の練習試合で審判をしていきたい」と意欲を話していた。

後輩たちに見守られ土橋会長㊨から感謝状を受け取る宮田さん

後輩たちに見守られ土橋会長㊨から感謝状を受け取る宮田さん