潮干狩り復活目指し 和歌浦漁協が活動報告

 和歌山市和歌浦地区の片男波干潟で潮干狩りの復活に取り組んでいる和歌浦漁業協同組合(藪豊代表理事組合長)は19日、市役所の尾花正啓市長を訪問し、活動状況を報告した。

 片男波干潟では、アサリの資源量が減少し、平成21年から潮干狩りが行われていない。同組合は、それまで貝漁を行っていた和歌川漁協に代わり、平成27年度からアサリの増殖事業と水産多面的機能発揮対策事業を実施し、干潟を耕して貝の生息しやすい環境を整えたり、干潟にネットを張ってツメタガイなど他の生物からの食害を防いだり、アサリの回復に取り組んでいる。

 ことしも2150平方㍍にわたりネットの張り替えと設置を進め、アサリが育つ干潟を少しずつ広げている。また、流動する稚貝が干潟に沈着できるよう、カキの貝殻を入れた沈着促進ネットも設置。26日には生育状況調査のため、近隣の市立和歌浦小学校の児童により潮干狩りが行われる。

 報告会には藪組合長(59)、横田邦雄副組合長(37)、㈲ベイサイド和歌浦の藪慶次郎社長(74)が出席した。

 横田副組合長は2年分の活動と本年度の活動予定を尾花正啓市長に報告。先日の県の調査でアサリからまひ性貝毒が検出されたが、水温が上がれば有毒プランクトンが減るため、安全な貝が食べられると説明した。

 尾花市長は「26日の潮干狩りで良い成果が出ることを期待したい」と話し、藪組合長は「活動の中でアサリが育てられることが分かったのは良い兆しだと思う。今後もできるだけネットを増やしていきたい」と前向きに語った。

アサリの増殖事業を説明する藪組合長(右奥から2人目)

アサリの増殖事業を説明する藪組合長(右奥から2人目)