IR誘致に待った 反対組織結成へ準備会

カジノを含むIR(統合型リゾート)の県内誘致に反対する市民らが9日、IRの問題点などを学び、訴える組織「カジノ問題を考える和歌山ネットワーク(仮称)」の結成準備会を和歌山市北出島のプラザホープで開いた。

昨年12月に「IR推進法」が成立し、県と和歌山市が誘致に向けて動きを進める中、和歌山クレサラ・生活再建問題対策協議会(和歌山クレサラ対協)と、サラ金被害の問題などに取り組む「あざみの会」が中心となって開催を呼び掛け、労働組合や医療団体の関係者、弁護士など約15人が参加した。

冒頭で、あざみの会カジノ問題対策部の畑中正好部長は「和歌山がIRの誘致で大阪に勝てる見込みはないなどと安易に考え沈黙していると危険だ」と反対の声を上げる必要性を強調。IR誘致を巡る政府や和歌山の動きを説明した。

出席者からは「ギャンブル依存症はアルコール依存症に比べ、治療法や社会復帰支援の体制整備が遅れている」「依存症対策だけでなく、観光にプラスとなるのかなど、論点を広げる必要があるのではないか」などの意見が出され、和歌山クレサラ対協の弁護士は海外のIR運営事業者を例に「IRの売り上げは8割以上がカジノ。他の施設は安い値段で集客するので、周辺の観光施設が負けてしまう」と構造的な問題点を指摘した。

準備会は今後、組織の運営体制を整えながら、勉強会や集会を開催していくとし、25日午後6時半から和歌山市美園町の新橘ビル8階で次の会議を開く。

意見交換する出席者ら

意見交換する出席者ら