芋エネルギー活用 近大ら半水耕栽培の実験
紀の川市の市民団体や企業、近畿大学生物理工学部などで構成する「紀の川スマートファーム協議会」は、同市田中馬場の農園で、サツマイモの苗植えを行い、半水耕栽培の実験に着手した。
同協議会は、イモ類を燃料とした発電実験を通して、電力の自給や消費者との交流事業を展開。取り組みはことしで5年目を迎える。同学部の鈴木高広教授が監修する新たなサツマイモの栽培技術として、これまでにさまざまな実用化試験を実施。昨年は水耕栽培を採用しており、今回は直接土を水にぬらさない半水耕栽培に取り組むことになった。
鈴木教授によると、半水耕栽培は水耕栽培と同様に、畝と同じ面積でも3~4倍の収穫量が見込めるという。水耕栽培とは違って根だけを水にぬらすため、苗を植えるポットの底部分に給水シートを装着する。格子状の土台の隙間からシートを下に垂らして水にぬらす仕組みで、1平方㍍あたり10㌔の栽培量を目指している。
苗植えは3日に行われ、22人が参加。鳴門金時の苗を約600個のポットに植え、土台の上に並べていった。サツマイモは秋に収穫する予定で、今回の栽培結果も報告する。