観光など連携強化 インド・マ州関係者来県

 県と観光・食品加工分野で連携する覚書を締結しているインド・マハラシュトラ州の政府関係者らが10日から15日にかけて来県し、熊野古道や和歌山城など県内の観光地を視察した他、県庁の仁坂吉伸知事を表敬訪問し、交流をさらに強化することなどを確認し合った。

 県と同州は平成25年10月に覚書を締結。これまでに、観光や交通業界の関係者が相手国の観光地を視察する「ファム・ツアー」の相互実施や、同州の自治体関係者が県内で行財政制度を学ぶ行政職員研修などが行われている。

 今回は、同州観光開発公社のビジェイ・ワグマレ総裁ら州政府関係者4人と、同州の中学生や教員ら計13人が来県。田辺市本宮町の県世界遺産センターや熊野古道、和歌山市の和歌山城を視察した他、田辺市の中学校を訪れ、生徒らと交流した。

 県は本年度から、中学生や高校生が世界遺産の魅力や保全について学ぶ「世界遺産地域次世代育成事業」をスタート。同州関係者に事業を視察してもらい、同州が有する世界遺産、アジャンタやエローラの石窟群の保全に役立ててもらおうと企画した。

 一行は14日に県庁を訪問。中学生と教員は北山徹国際課長を、州政府関係者は仁坂知事を表敬訪問した。同課によると、中学生からは県内の世界遺産について「とてもきれいに整備されていて驚いた」などの声が上がったという。

 仁坂知事との会談でワグマレ総裁は、県が同州に派遣している職員の仕事ぶりにふれ「頑張って良い仕事をしている」と高く評価。「(お互いの)往き来も盛んになってきたと思う。もっと協力関係を深めていきたい」と関係強化に意欲を示した。

 仁坂知事は同州について「インドの中心中の中心。きょうだいのようにお付き合いできることは貴重だ」と述べ、「来年1月に訪問し、MOU(覚書)のバージョンアップをしたい」と話した。

仁坂知事㊨を表敬訪問し、贈り物を手渡すワグマレ総裁㊧

仁坂知事㊨を表敬訪問し、贈り物を手渡すワグマレ総裁㊧