ふるさとの歌に願い 9日第九合唱団公演
県第九合唱団(山本光子団長)の「夏の大合唱」が9日に迫り、団員たちの練習は大詰めを迎えている。平和への願いを歌声に込め、毎年7月に開いているコンサートで、ことしは72年前に和歌山大空襲があったその日に当たる。懐かしい日本の唱歌の数々がメドレーになった「ふるさとの四季」(源田俊一郎編曲)などを歌い上げる。
2日には、本番で指揮を務める藤岡幸夫さんを迎え、和歌山市あいあいセンターで直前練習に励んだ。藤岡さんは「夏の大合唱」を17年連続で指揮し、冬の公演も含めると同合唱団とのつながりは20年に及ぶ。
練習で藤岡さんは「春の小川」「夏は来ぬ」「村祭」などメドレーに登場する唱歌の一つ一つについて、メロディーへの歌詞の乗せ方やリズムの注意点などを熱心に、ユーモアを交えて指導。「(合唱の各パートが)もっと愛し合って声を出して」などと呼び掛けていた。
今回は和歌山大学混声合唱団のメンバーなど新しい、若い力も加わり、「とてもクオリティーが高い。例年以上に本番を楽しみにしている」と藤岡さんも期待する。同大2回生の藤田浩介さん(19)は「普段の部活と違って幅広い年代の方と歌うので、勉強になることが多い」と話し、3回生の谷脇翼さん(20)は「若いフレッシュな力で頑張りたい」と本番に向けて意気込んでいる。
公演は午後3時から県民文化会館大ホールで。管弦楽は関西フィルハーモニー管弦楽団。和歌山市ゆかりのバイオリニスト・澤亜樹さん(澤和樹・東京藝術大学長の長女)も出演し、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲で協演する。プログラムはこの他、チャイコフスキーの組曲「モーツァルティアーナ」より「祈り」、大木惇夫作詞・佐藤眞作曲のカンタータ「土の歌」より「大地讃頌」。
チケットなどの問い合わせは和歌山音楽愛好会フォルテ(℡073・422・4225)。