県内は「適地」 核のごみ処分マップ公表

 経済産業省は28日、原子力発電所の使用済み燃料を再処理する際に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設に向け、全国を適性別に色分けした地図「科学的特性マップ」を公表し、全国の自治体に通知した。

 同廃棄物は再処理の際に出る廃液を高温のガラスと溶かし合わせて固体化したもの。放射能レベルの低下に長い時間がかかることから、法律で地下300㍍より深い地層に埋めて処分することが定められている。

 公表されたマップは全国を地下環境や海岸からの距離などを基準に「輸送面からも適した地域」「可能性のある地域」「適していない地域(将来の掘削可能性がある)」「同(地下深部の長期安定性」の四つに色分けしている。廃棄物を輸送しやすい海岸から20㌔以内の地域が好ましいとされている。

 県内は長い海岸線を抱えることから、沿岸部のほとんどが「輸送面からも適した地域」とされ、伊都橋本地域など山間部は「可能性のある地域」と位置付けられた。仁坂吉伸知事はマップについて「国から何らかの判断や対応を求められている訳ではないのでコメントすることはない」としている。

 同省は9月からマップを基に自治体への説明を行う予定で「長い道のりの最初の一歩。全国各地できめ細かな対話を積み重ねていく」と話している。