国際コンクールで銀賞 中国琵琶の苑蓉さん

 和歌山県和歌山市に住む、中国琵琶奏者の苑蓉(エンヨウ)さんが、8月下旬に東京で開かれた「『青楽杯』第3回国際琵琶コンクール」で銀賞に輝いた。苑蓉さんは「国際的にも評価をいただけたことが何よりうれしい。和歌山や日本の皆さんの誇りにもつながればうれしい」と思いを新たにしている。

 苑蓉さんは中国西安市出身。5歳から、中国の人間国宝でもある叔父の曲文軍(北京中国音楽学院教授)に師事。2009年に来日し、県内を中心に演奏活動に力を入れている。

 同コンクールは日中音楽交流協会などが主催し、2年に1度開催。今回は日中国交正常化45周年を記念し、初めて日本で開かれた。

 世界各地から予選を通過した約200人が出場。中国やシンガポール、香港や台湾など、中華圏の参加がほとんどで、日本からの参加者は苑蓉さんのみだったという。

 苑蓉さんが出場した成人アマチュア部門には12人が出場し、苑蓉さんは中国琵琶の代表曲「十面埋伏(じゅうめんまいふく)」を力強く演奏。さまざまな技法で、剣の打ち合いや兵馬の鳴き声など、戦いの様子を琵琶で表現する上級曲という。

 同部門では95点以上の2人が金賞に。苑蓉さんは94点で銀賞に選ばれ、審査員からは「力強く音楽的な感覚が素晴らしい」「技術はもちろん、完璧な表現力」などと高く評価された。特に豊富な舞台経験によって磨かれた豊かな表現力が認められたといい、苑蓉さんは「素晴らしいこの楽器を日本のもっと多くの方々に知ってもらいたい」と意欲的に話している。

 苑蓉さんは10日午後1時から、紀の川市桃山町調月の「桃源の郷宮折 耕心院」で演奏会を開く。2000円(お茶、菓子付き)。問い合わせは笹本さん(℡080・5711・1532)。

中国琵琶と証書を手に笑顔の苑蓉さん

中国琵琶と証書を手に笑顔の苑蓉さん