和歌山市の商業地2年連続上昇 地価調査
和歌山県は19日、県内240地点の平成29年地価調査の結果を発表した。県全体の平均変動率は住宅地は27年連続、商業地は26年連続で下落したが、下落率はいずれも6年連続で縮小し、和歌山市の商業地の価格が2年連続で上昇するなど、回復の兆しも表れている。
県内の対前年平均変動率(林地を除く)は1・6%の下落で前年より0・4㌽縮小。前年から継続の234地点のうち、価格が上昇したのは22地点、横ばいは22地点、下落は190地点だった。
用途別では、住宅地の平均変動率が前年比マイナス1・6%。平成3年から27年連続の下落となったが、下落率は昨年の2・0%から縮小した。価格上昇地点は昨年の14地点から16地点に増加し、和歌山市が8地点で半数を占めた。県地域政策課によると、価格上昇地点は交通アクセスが良く、近隣に商業施設があるなど利便性の高い地域が多く、紀南地方では津波被害への懸念から、高台の住宅地で価格が上昇している。
商業地は平均変動率がマイナス1・3%。平成4年から26
年連続の下落となったものの、下落率は昨年の1・7%から縮小した。価格上昇地点は6地点で、全て和歌山市となっている。同市は平均変動率が0・2%とプラスを記録し、前年から2年連続の上昇となった。
工業地の平均変動率はマイナス2・5%で、昨年の同3・4%から縮小している。
平均変動率の都道府県別順位では、住宅地が昨年の40位から38位に上昇し、商業地は31位から30位に上昇している。近畿2府4県では住宅、商業地共に6位だった。
価格上位地点は、住宅地の最高が「和歌山市吹上4丁目6番10」で、1平方㍍当たりの価格は19万3000円。前年比1・6%の上昇となっている。同地点が1位となるのは5年連続で、上位5位を全て同市内の地点が占めた。商業地の最高地点は「和歌山市友田町5丁目50番外」で、1平方㍍当たりの価格は43万8000円。価格は5年連続で横ばいだった。同地点のJR和歌山駅前の繁華街で、周辺では高層ビル建設の再開発が進行している。
同課は今回の結果について「景気が回復傾向にあり、インバウンドも増えているが、土地に対する需要にはまだつながってない」と分析している。