衆院選の構図定まらず 週末に各陣営走る

 衆議院が解散し、事実上の選挙戦に突入して最初の週末を迎えた9月30日と10月1日、衆院選(10日公示、22日投開票)の和歌山県内3小選挙区の予定候補は人出の多いイベント会場や駅前、商業施設などを訪れ、支持を訴えた。民進党出身の予定候補は希望の党からの出馬が正式に決まっておらず、安保法制への反対を軸に昨年の参院選で一定の成果を上げた野党共闘も今回は難しく、いまだ構図が定まらない流動的な情勢の中での前哨戦となっている。

1区
 4選を目指す民進前職・岸本周平氏(61)は和歌山城などで開かれたイベントを訪れた他、幹線道路での辻立ちなどに汗を流した。民進の希望への合流について「予想していた」と落ち着いた表情で語り、「これまでの国会議員生活で政党の色は一度も前面に出したことがない。今回の選挙も一人ひとりの応援を力に“岸本党”として戦う」と考えを話した。

 過去2回、岸本氏に惜敗し、比例復活となった自民前職・門博文氏(52)は、小選挙区での当選に向け、複数の後援会支部の設立総会に出席した他、自転車で市内を回るなど、有権者への露出を意識した戦いを展開。支持を呼び掛ける企業・団体は約1200に達する。1日には所属派閥のトップである二階俊博党幹事長が駆け付け、門氏の後援会の会合で支援を呼び掛けた。

 共産新人・原矢寸久氏(65)は市内各地の商業施設前などで演説。30日にはJR和歌山駅前で党の県内小選挙区予定候補の合同街頭演説会に臨み、穀田恵二党国会対策委員長も応援に駆け付けた。原氏は「貧困がまん延し、一生懸命働いても暮らしが成り立たなくなっている」などと安倍政権を強く批判している。

2区
 7選を目指すベテランの自民前職・石田真敏氏(65)は街頭演説を中心に活動。30日は岩出市から橋本市まで選挙区北部の紀の川筋を回り、人通りの多い場所で演説した。1日は紀美野町、海南市、有田市の選挙区南部で同様の活動を展開。事務所関係者は前哨戦の活動について「公務で出遅れた支援者や団体へのあいさつ回りが中心となる」と話す。

 民進新人・坂田隆徳氏(38)は、紀美野町の動木から神野市場、かつらぎ町の渋田、笠田などでこまめに街頭演説を行い、支持者約20件へあいさつ回り。県連との打ち合わせ後、岩出、紀の川両市でも演説した。希望の党への公認申請については「まだ申請はしていない」と説明し、「党の状況をよく見ながら行動したい」と話した。

 共産新人・下村雅洋氏(61)は紀の川市桃山町や橋本市などで街頭演説。農林水産業の抜本的改革や中小企業への支援強化などを強く訴え、「地方からの人口流出を防ぎ、地域を活性化する」と支持を呼び掛けた。

イベント会場で握手を求める立候補予定者

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