希少生物の森に影響 米軍ヘリパッド講演

 沖縄について多方面から知る活動を行っている「ゆいま~る和歌山」による初の講演会「やんばる高江・安波の生き物たち」が14日、和歌山県和歌山市の中央コミュニティセンターで開かれ、日本鱗翅学会会員でチョウ類研究家の宮城秋乃さんが、沖縄県北部の東村(ひがしそん)高江と国頭村(くにがみそん)安波の希少な生物と米軍のヘリパッド建設について講演した。

 東村では、オスプレイをはじめとする米軍機が飛び交い、森ではヘリパッドの建設が行われている。宮城さんはそれらに伴う森への影響を解説した。

 森で伐採や騒音が起こると、植物が死んだり、繁殖の機会が減ったりすることに加え、環境の変化で生き物が住みにくくなる。宮城さんは共同調査で新種や固有亜種の生き物を多数発見し、生態的にも学術的にも重要な森が奪われていると話した。

 自身が記録した沖縄の生き物を紹介した映像も上映。絶滅危惧種のイボイモリや固有種のケブカコフキコガネ、米軍機の音に驚いて隠れるノグチゲラの様子を解説し、「長い時間をかけてできた森は一度壊すと戻らない。森をなくすことは生き物を殺すこと。生き物は森に身を預け、未来につなぐために生きている」と森の保全を訴えた。

ヘリパッド建設の影響を語る宮城さん

ヘリパッド建設の影響を語る宮城さん