南海本線が単線で運転再開 復旧に1カ月

 台風21号の影響で線路がゆがみ、10月22日から不通となっていた南海電鉄南海本線の樽井―尾崎間が、11月1日の始発から単線での運行を再開した。当面は約30分間隔で普通列車中心の運行となり、下り線の復旧には約1カ月かかる見通し。10日ぶりの運転再開に、和歌山県の和歌山市駅は早朝から通勤・通学客らで混雑した。

 台風により、大阪府泉南市と阪南市の境界を流れる男里川(おのさとがわ)上の橋脚が傾き、下りの線路にゆがみが発生。同区間が運行できなくなり、10月31日までに上下2207本が運休し、延べ約44万人に影響が出ていた。

 南海電鉄は、無事だった上り線を使った単線運行を実施。下り線は傾いた橋脚を仮復旧させるため、再開に約1カ月を見込んでいる。約30分間隔で普通列車を運行し、早朝と夕方は区間急行を走らせる。JR阪和線への振り替え輸送や樽井・箱作―泉佐野間のバス輸送も行っている。

 1日朝は、運転再開を待っていた利用者で各列車はいっぱいとなったが、踏切の安全確認に時間がかかった影響で2本が運休となった。

 同線を通学に利用している学生が多い和歌山大学では、不通により大きな影響が出ていた。同大によると、樽井―箱作間で運行していた代替バスは約30分に1本と少なく、不通区間を歩いて移動する人もいたという。

 同大4回生の井上裕美子さん(22)は「通学に2~3時間かかる同級生もおり、早く到着できる交通機関はどこか悩んでいる学生もいました」と話し、「まだ(単線運行で)通学にかかる時間が読めないので、早く元のダイヤに戻ってくれたら」と早期の通常運転再開を期待していた。

乗降客でいっぱいの和歌山市駅ホーム

乗降客でいっぱいの和歌山市駅ホーム